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伝わる想い、伝わらない想い

私たちは、相手に何かを伝えたい時には、どういうふうに伝えるのでしょうか。身振り手振りで伝える。表情で伝える。態度で伝える。言葉で伝える。心で伝える。
例えば、道行く人にゆく道を尋ねられたりする時には、自分が持っている情報を言葉で伝えるということになるかと思います。もしかしたら、その言葉に笑顔や簡単な挨拶を添えることがあるかも知れません。
例えば、旅先のお店や旅館などでは、最後に「ありがとうございました」とお互いに声をかける機会が多いかと思います。その感謝の言葉の中に会釈や手振りを添えることがあるかも知れません。
もちろん、気の合う友達や恋人や家族に関しては、一種の阿吽の呼吸なるものが存在し、言葉はなくてもそれだけでコミュニケーションが成立するということが実際にはあるものです。この場合、その人の表情や仕草を感じとって自分の行動に反映させます。

いずれの場合も、自分の中にある想いを、伝え伝わったと感じられる時なのではないでしょうか。

私たち美容外科医と患者様の間でも、もちろんコミュニケーションは必要であり、患者様に情報を伝えるとこは非常に大事な要素であります。
そもそも信頼関係の基に医療は成り立っており、信頼関係の醸成に努めることが特に美容外科医には必要であると考えています。

先日、ある患者様と出会いました。約10年前に大きな交通事故に遭遇し、奇跡的に歩行機能を健常な状態に取り戻しました。しかし、太ももには大きな傷と凹凸を残しました。このような患者様に対して現在の社会で、保険診療が適応されないのは非常に残念ではありますが、当院にお越しいただき、脂肪吸引により美しい脚を取り戻しました。
非常に稀な症例であるとともに、チャレンジングな手術であったので、手術が決まったその日から頭の中でイメージトレーニングを行い、1日の中で何度も考えました。
その結果が手術結果に結びついたと考えております。
私の中で、手術をする機会を下さったことに、感謝の気持ちで満たされ、術後検診の折にも患者様に言葉で伝えさせて頂きました。
「ありがとうございました」
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」

想いが伝わった瞬間だと感じました。

実はこのような経験は、よくあることのように感じます。

その人のことを、時間をかけて考え、思い悩み憂慮すればするほど、結果は自ずと良い方向に流れる。
これは法則のように思うのですが、同時に法則には例外があり、例外を経験する機会はたまに訪れます。
大切に考え、思い悩んでも結果としてお互いに良くない方向に進んでしまった時。
想いが伝わらなかった瞬間だと感じます。悲しく閉鎖的な気持ちになってしまいますが、
どこに原因があるかを追求することが大切だと考えています。
そして、その導き出された答えは自分の心の中にそっとしまっておくようにします。
もしかしたら、誠実な気持ちがあれば、相互関係は改善する余地が残されていると思うからです。

清く誠実な想いは伝わると信じ、その信念を維持し、今後も皆様のお力になれる美容外科医であろうと考えております。